YouTube はおもしろい:賢者の登場

YouTubeはわれわれ高齢者にとってもたいへん参考になります。今年の確定申告の際は初めてのこともあり、いろいろな方の解説動画に助けてもらいました。節税についてもいろいろな方が教えてくれます。投資についての動画もときおり閲覧しています。

新NISAは20〜30年後の含み益を期待する非課税制度ですが、人生100年時代といわれる今、高齢者とはいえ余裕があるなら利用して、少しでも安定した生活を送りたいと考えています。そんな中、『ほったらかし投資術』(朝日新書)の著者のお一人、インデックス投資家の水瀬ケンイチ氏が楽待チャンネルに出演されていました。今回は新刊『彼はそれを「賢者の投資術」と言った』(Gakken)の出版に合わせての配信ですが、新しい本を手元に置きながら著者の話を好きなときに聞けるのもYouTubeの長所と思いながら動画を拝見しました。というわけで、動画と新刊のご紹介です。

現在も一企業で活躍されている社会人のため、愛猫?の写真で素顔を伏せてのご出演ですが、これもYouTubeならではの趣向でまったく違和感がありません。動画の内容は投資初心者に向けた平易なもので、たいへんわかりやすく楽しめました。残念ながらインデックス投資25年間の実体験の大半は割愛されていましたが、著者の柔和温厚な人柄とバランスのとれた考え方が感じ取れました。

本書を手にして25年間の軌跡をみると、これまでの勉強量は並大抵ではないと思われます。20代後半でインデックス投資の合理性に気づかれ、ご自分で投資信託や債券を組み合わせて理想的なポートフォリオをつくり実行されたこと、まさに賢者にしかできないと思います。時価総額加重平均は余計な予測や偏見を排除し、「世界経済の成長そのもの」を最も低コストで、かつ自動的に享受できる究極の合理的な形といわれています。動画の中で、世界情勢や経済の動向は知識としては必要だが、これらの変化が投資法に影響したことはないと言いきられたのがたいへん印象に残っています。

本書「第6章 25年間で学んだ投資と人生5つの真理」では、リーマンショック時に投資仲間から罵詈雑言を受けた苦い経験をはじめ、さまざまな苦労と研鑽を通して培ったバランス感覚が随所にうかがわれます。心理学者マズローの「欲求の階層説」にもとづいて投資で気をつけるべき点が述べられ、この第6章の人生観を踏まえて第7章ではこれからの資産の使い方、取り崩し方の計画が紹介されています。とくに第7章は高齢者にとって示唆に富む内容です。

水瀬氏が投資を始められた2000年ごろといえば、投資のことなどまったく興味がなく、実験に没頭していましたから、まさしく世の中の仕組みを知らないまま年を取ってしまった、もう少しいろいろな知識を学べばよかったかなあという気持ちもありますが、世間から遠ざかった生活をしていると、給料天引きの積立貯金が思いのほか貯まっていきました。これを原資に、退職間近ではありましたが、『ほったらかし投資術』、『賢者の投資術』に助けてもらっていくらかは資産を増やすことができ、まあなんとか平穏な生活ができていることに感謝しています。

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