昨年の8月、変形性膝関節症と診断され、先生からは「治りませんよ、進行を抑えるのが基本方針です」ときっぱり。腫れと痛みがようやく治まった今年3月、MRI で膝の状態を確認してもらいました。完治とはいえませんが、これ以上の通院の必要なし。あとはリハビリしだい。自宅で固定式のサイクル運動に加えて段差約 10 cm の階段での階段昇降を始めて1か月。まだ、傷めた方の足が踏ん張れず、両足を交互に使って階段を登ることができません。残る改善策は体重減量。ごはんをなくそうかと考えてはみたものの、一日三食すべてをそばにする本格的なそばダイエットはとても無理。そこで、膝を痛めた高齢者向けの蕎麦ダイエットを自分なりに考えてみました。結論は昼食を、蕎麦と納豆にして、月1%の減量を目指します。
1. 減量の基本戦略
高齢者、特に関節に不安を抱える高齢者の減量は、単なる「体重減少」ではありません。数値だけを追うダイエットは、関節を支えるエンジンの役割を果たす筋肉まで削ぎ落としてしまい、結果として歩行機能を低下させる恐れがあります。
- 膝関節における「負のレバレッジ」の解消
階段の昇降時、膝には体重の数倍もの負荷がかかります。これを数式化すると、減量のメリットが明確になります。
膝への負担軽減効果 = ⊿W × (5〜7) ただし、⊿Wは減少した体重
わずか1kgの減量が、階段の1段ごとに5〜7kgの衝撃緩和をもたらします。
この「力学的メリット」を最大化するには、以下の二つを守らなければなりません。 - 「除脂肪体重(LBM)」の死守
体重を落とす際、エネルギー不足によって筋肉(除脂肪体重)の減少を防がなければなりません。筋肉量が減れば基礎代謝が落ち、リバウンドしやすい体質になるだけでなく、膝を支える筋肉が働かなくなるので膝関節の不安定性が増します。「脂肪を燃やし、筋肉を維持する」ことが、絶対条件。 - 持続可能な「1%ルール」の設定
急激な減量は骨密度の低下や免疫力の減退を招きます。生体リズムを乱さないための目安は、「1ヶ月に体重の1%程度」の減少です。このペースは、脳に飢餓状態を感じさせず、リバウンドを防ぐための最も合理的な速度といえます。
おいおい、1ヶ月に体重の1%ってやる気あるのかと、文句が出そうですが、高齢者ですからこんなもんです。
2.変形性膝関節症となった高齢者に適した食事ダイエットとは?
上述のとおり、変形性膝関節症を抱える高齢者のダイエットで気を付けなければいけないのは、「膝への物理的な負担軽減」と「関節を支える筋力の維持」の両立。運動面では、これまで通り、固定式のサイクル運動を行って自重によるダメージを避けつつ効率よくカロリーを消費していく、また、関節を動かさずに周囲の筋力を強化するため、室内で座ったまま行える足上げ運動を続ける。それじゃあ、食事をどうするかというと、
(1)極端な制限を避け、筋肉の材料となるタンパク質の確保を最優先。特に大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の衰えは、膝への衝撃を直接的に強めてしまうため、肉・魚・卵・大豆製品を毎食欠かさず摂取し、フレイル(虚弱)を防ぎながら体脂肪を落とす「質の改善」を目指していきます。
(2)抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸(青魚やえごま油など)を積極的に摂り、関節内の環境を整えることも、痛みを抑えて活動量を維持するための重要な戦略。
再発防止と歩行能力の向上を図るには、膝を「天然のサポーター(筋肉)」で守りながら、賢く体重をコントロールしていく必要があります。
3. 昼食:日本蕎麦と粒納豆の組合せ
朝食と晩酌付き夕食は腹8分目から6分目に変更。とにかく食べ過ぎないようにする。朝食はごはんと味噌汁のみ。夕食は家族と一緒なので献立について文句はいえない。残るは昼食の献立。基本は日本蕎麦にしたい。しかしながら、外食すると小遣いが減ってしまいます。というわけで、日本蕎麦の乾麺。自宅で調理できるので、コスパがよい。それに、最近は乾麺が美味しくなり、ちょっとしたブームになっているとか。さらに、栄養面でも「乾麺の蕎麦」と「粒納豆」の組み合わせは以下の理由で合理的といえます。
- 蕎麦の力: ポリフェノールの一種「ルチン」が毛細血管を強化し、血行を促進する。また、低GI食品(食後の血糖値上昇が穏やかで、ダイエットや健康管理に役立つ食品)であるため食後の血糖値上昇が緩やかで、脂肪を溜め込みにくい体質を作るのに役立つ。
- 納豆の補完: 蕎麦に欠ける必須アミノ酸(リジン)を納豆で補えるため、筋肉の発達に効率よく利用できる。特に「粒納豆」は皮の食物繊維が豊富で、咀嚼回数を自然に増やし、満腹中枢を刺激するため、ひき割りよりも健康にはよいとのこと。
- 調理の工夫: 麺が茹で上がった後は冷水でしっかり締めることで、塩分がなくなり、コシが強くなる。仕上げにかつお節(ロイシン補強)やすりごま(抗炎症の良質な脂質)を加えると、リハビリに必要な栄養素がさらに整う。
ということで、昼食は日本蕎麦を食べることにしました。幸い、妻も蕎麦好きなので、即実行ということになり、約1ヶ月経ちました。
4.日本蕎麦(乾麺)選び
このダイエットのお楽しみは、やはりどんな蕎麦を食べるのか、ここがメインです。まずは、スーパーで美味しそうな商品を購入して食べてみました。それぞれ、美味しいのですが、人間は欲深い。そこで、通販で人気の品を購入することに。最初に試したのが「マツコの知らない世界」で紹介された奈良屋さんの裁ちそば、次に奈良屋 麺いろいろ、星野物産 小諸七兵衛と来て、現在、ナガノファクトリー池森そば小諸二八兵衛をいただいています。これまではときおり地元で評判の蕎麦屋さんに出かけていましたが、自宅でできる乾麺の世界でたいへん満足しています。愉しみがひとつ増えました。
5. リハビリを運動に変える:非荷重と10cmの戦略
膝を「守りながら鍛える」ためには、重力負荷をうまくコントロールする必要があります。
- 非荷重運動の推奨: 膝を深く曲げたり体重をかけすぎたりせず、椅子に座った状態での「ペダル運動」や、膝を伸ばしたまま脚を浮かせる「足上げ運動(SLR)」を取り入れる。これにより、関節に炎症を起こさず代謝だけを底上げできる。
- 10cm段差の活用: 10cmの段差がある階段での練習は、リハビリの王道。特に「ゆっくり下りる」動作を意識する。筋肉が伸びながら力を発揮する(エキセントリック収縮)際、筋肉は最も効率よく鍛えられ、エネルギーを消費する。
- お尻(大臀筋)の意識: 膝だけで踏ん張ろうとしない。踵(かかと)で地面を捉え、お尻の筋肉を使う感覚を持つことで、膝への負担が分散され、バランス良く筋肉を鍛えることができる。
6. 生活習慣の仕組み化
生活習慣を変えようとすると、抵抗勢力(家族)が現れます。特に夕飯は食べ過ぎてしまうので、気を付けています。
- 「もったいない」の卒業: 腹六分目を心がける。余ったから食べてよと、抵抗勢力が現れても妥協せず、量を調整する環境を整える。
- 睡眠と血流: 質の高い睡眠は代謝を助けるホルモンを分泌させる。また、入浴などで膝周囲を温め、血流を維持することも組織の修復を早める。
まとめ
なんやかんやと書きましたが、無理せず愉しみながら、ダイエットができればよいと思っています。目標は体重の1割減、月に1%の減とすると、10ヶ月かかります。果たして成功するか、これも愉しみのひとつになりました。
