30代の頃の私は、まさか自分が毎晩のように晩酌を嗜むようになるとは思ってもみませんでした。
始まりは30代後半。風呂上がりに「とりあえずの一杯」としてビールを口にするようになったのがきっかけです。その後、父が訪ねてくれるたびに酒を酌み交わすようになり、次第に日本酒を冷やで楽しむようになりました。 昔の安価な日本酒特有のツンとくる刺激が苦手でしたが、あるとき飲み屋で出会った「久保田 萬寿」には驚かされました。すっきりとした喉越しと、ほのかに広がる気品ある香り。多忙を極め、帰宅が23時を回る日々でしたが、早く帰れた夜のひとときを彩る楽しみの一つとなりました。
やがて、知人との付き合いで芋焼酎の世界へ。最初は独特の香りに戸惑いもありましたが、出張先の鹿児島で飲んだ「佐藤 黒」の衝撃は今でも忘れられません。当時は空前の芋焼酎ブーム。3M(森伊蔵・魔王・村尾)をはじめ、各地の銘柄を抽選や現地調達で追いかけるのが一種の趣味でした。当時参考にしていた多くの焼酎ブログが閉鎖されてしまったのは、今思えば寂しい限りです。
遍歴を重ねた末、現在は尾込商店さんの「神座(かみくら)」に落ち着いています。ロックで飲むことを想定した28度という度数が絶妙で、甘みとすっきりしたキレ、そして控えめな芋の香りが、今の私にはちょうどいい。芋焼酎を愛する方には、ぜひ一度お試しいただきたい一品です。
